塾というのは「授業」を商品にしているわけですが、それにともなって質問や欠席者のフォローといったものが発生するのは当然です。
実際に私の塾では、授業の前後や休憩時間など、質問を抱えた生徒たちで講師の周りはいっぱいですし、休憩時間は生徒のものであって講師の休憩ではないということは、すべての職員が理解しているところでもあります。質問が何もでないようだと「ちゃんと分かろうとしてくれているのかな?」と、むしろ不安になったりします。
先日、ある進学塾から転塾してきた生徒が、こんな話を聞かせてくれました。難関校に多くの合格者を輩出していることで有名な塾なのですが、講師に質問するになんと有料のチケットが必要だというのです。生徒は「質問チケット」なるものをあらかじめ購入し、質問のたびにそれを提出しなければならないとのこと。一枚の質問チケットは100円程度のようなのですが、私は思わず笑ってしまいました。
「ひとつひとつの質問にも金をとるなんて、せちがらい世の中だなあ」
そんなことを思ったのですが、笑ってばかりはいられません。もしかしたら質問をためらう生徒がいるかもしれませんし、算数の難問ならいざ知らず、「この言葉ってどういう意味ですか」といった単純な質問にまでチケットがいるのであれば、それはもう詐欺商法といわれても仕方がないでしょう。
たしかに質問対応というのは、個別指導でない場合には、手間も労力も時間もかかります。(個別指導塾の良いところは、こういった質問がしやすいことにもあります)
塾での学習に限らず、学校で出された宿題から自由研究の相談まで、様々な質問に答えなければなりません。場合によっては、質問対応専用の講師をおく必要だってあるのです。すべて塾のサービスの一環です。だからといって、ここを有料にする意味があるのでしょうか?
質問は、生徒理解のための大切なコミュニケーションの機会でもあるのです。塾業界の人間として、「おいおい、ちょっと待てよ」なんて情けない気持ちになりました。
ちなみにそのチケット制の塾ですが、自習や居残りでの学習にもかなりの制限があるとのこと。「授業の切り売り」だけでは、本当の信頼関係は築くことができないと思うのですが…。
運営者・お問い合わせ プライバシーポリシー リンク集
Copyright(c) All Rights Reserved.