塾の雇用形態にもよりますが、講師を大きく分けると、学生アルバイトと正社員講師の2種類になります。学生ではない非常勤講師もいるのですが、ここではおいておきましょう。
前項でちらりとお話しましたが、専門的な指導能力や知識、経験といったところで、正社員講師のそれは、学生アルバイトを大きく引き離してしまいます。いえ、引き離していて当然です。アマチュアの野球選手とプロの野球選手を比べるようなものだからです。
それでは、なぜ初めから勝負がついているはずの、「学生バイトVS 正社員講師」なんていうタイトルを掲げた項を設けたのか?それは先ほど述べた当然の事情が、必ずしもすべての塾・すべての講師に当てはまるわけではないということをお伝えしたかったからです。
ストレートに申し上げましょう。
正社員講師と一口にいいますが、すべての塾、すべてのクラスの正社員講師が、専門的な指導能力を持ち、高度な知識と深い経験を有していると思いこむのは幻想です。実のところ、この業界の離職率はかなりのもので、ひどい塾では年間3分の1もの講師が入れ替わることは、すでに書きました。
そういった塾の場合、往々にして悪評が業界内に広まっており、転職を考える他塾講師がその塾を避けるのは当然です。したがって、3分の1もの割合を占める新人講師のほとんどは、事情をまったく知らないか未経験者であると考えられるのです。そうした「正社員」講師が、たとえばアルバイトでも数年の経験を持った学生講師に太刀打ちできなかったとしても、不思議ではありません。
とりわけ優秀な大学の学生は、割の良い塾講師のアルバイトを好んでやりますが、そうした学生が塾業界にとどまってくれる率は低く、正社員講師志望の学力や学歴は、たいていの場合、アルバイトの学生講師より低いのが現状なのです。
また、補習塾や個別指導塾であれば、年の近い親しみやすい学生講師の方がかえって良い結果を出していることも少なくないようです。
「うちの講師の下半分よりは、学生アルバイトの方が優秀だったりするんだよ」
とは、以前勤めていた塾経営者の言ですが、あながち的外れともいえないのです。ですから、塾のチラシなどで見かける「すべての授業に正社員が入ります」というフレーズは、必ずしもプラス要素ばかりではないのだ、ということを知っておいてください。
ちなみに私の塾では学生アルバイトを採用していません。中学受験というのは、特殊な知識や長い経験が必要とされるもので、学生の片手間のアルバイトでは追いつかないからです。むしろアルバイトの学生講師は、中学生・高校生の指導(とりわけ個別指導)において、力を発揮するのではないかと思います。
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