消費者の感じる不安や困難、心理状態につけこんで商売をする業種を指して、不安産業と呼ぶことがあります。
その最たるものは、「先祖供養が足りない」とか「悪霊がとりついています」などといって壺や印鑑を売りつける、いわゆる霊感商法でしょう。
また、死や健康・美容に対する不安に関わる医療業界、美容業界、あるいは生命保険業界なども、不安産業の範疇に含めることができます。
塾業界をもって、いつから不安産業といわれ始めたのかは定かではありませんが、次のような事例はそれを示す好例といえるでしょう。
2002年度からの新学習指導要領の実施にともない、教科書内容の大幅削減が行われたことがあります。当時、塾業界だけではなく社会全体として議論がおこり、批判が浴びせられたものでした。
塾業界においては「円周率が3になる」とか「内容の3割削減」とかいったトピックを掲げて、学習指導要領改定に反対を表明しながら、同時にそれが宣伝活動にもなったのです。
もとより、「子どもの将来の可能性を広げるため」の学力伸長を目的とする私塾教育には、消費者の不安に訴える部分が内在していることにまちがいはありません。
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